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チタン-マグネシウム複合処理鋼の介在物分析
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チタン-マグネシウム複合処理鋼の介在物分析

卓上自動粒子解析SEM/EDS Phenom ParticleX Steelを使用した
溶鋼の合金および精錬工程の評価



Introduction

世界各国で広く生産されている低炭素鋼は、自動車、建設、石油やガスのパイプラインなどの多くの用途に使用されています。これらの鋼材の多くは、アルミニウムを使用して、ナノスケールで析出する窒化アルミによって結晶粒界をピン止めし、結晶粒を微細化します。アルミニウムによる脱酸の欠点の1つは、ミクロンサイズの酸化物の集団が残ることです。これらは凝集しやすく、曲げ、溶着、疲労試験の際に、亀裂の起点となります。


図1は、カルシウム処理されたアルミニウムキルド鋼の、典型的な介在物の分布を示しています。 今回の実験では、脱酸にチタン、マグネシウム、カルシウムを利用する別のアプローチが採用されています。実験は、スラブの連続鋳造前の取鍋精錬とRH脱ガス処理を含む、統合された高炉〜転炉(Basic Oxygen Furnace)で実施されました。

反射電子像の輝度の閾値を設定することで粒子とマトリックスを区別します。ほとんどの鋼材中の介在物の平均原子量はマトリックス(鉄)よりも小さいので、明るい背景に暗い粒子として識別されます。エネルギー分散型 X 線分光法 (EDS) により、それぞれの介在物の化学組成情報を収集し、三元図にプロットすることができます。色はサイズを表し、位置は三角形の頂点に表記された三元素の構成比を表します。





図1. カルシウム処理されたアルミニウムキルド鋼の介在物の分布
50 mm2 のスキャン領域内に、多くの硫化カルシウム(左軸)、
アルミン酸カルシ ウム(中央)、スピネル非金属介在物が
含まれています。



図2. 工業的な熱処理試験のバルク鋼の組成


Methods and results

精錬中の非金属粒子の化学組成を明らかにするために、自動化された介在物分析を行いました。卓上自動粒子解析SEM/EDS Phenom ParticleX Steelは、統合されたEDSソフトウェアとハードウェアを利用し、迅速な粒子の検出と分類が可能です。70 mm2の研磨された鋼材試料上の、直径1 μm以上のあらゆる介在物の特徴を明らかにすることを分析の目的としました。



取鍋精錬は、トータル酸素含有量を約50 ppmにするために、マンガンとシリコンを主要な脱酸剤として添加することから始まります。次に塊状FeTiとワイヤーNiMg合金を溶融物に追加してトータル酸素含有量をさらに低下させます。この段階では、大量の窒化チタン、酸化マグネシウム、硫化マンガン/硫化カルシウムが生成されます。4つ以上の化合物があるため、単一の三元図ですべての相を表すことはできません。図3は、2つの相(TiN+硫化物またはMgO+硫化物)の間に粒子が連続的に分布していることを示しています。




図3. 各段階の三元図
左:Ti-S-N
中:チタンとマグネシウムの合金添加後のMn-S-Mg
右:RH脱気工程におけるカルシウムの添加後のMn-S-Mg


取鍋精錬に続いて、RH脱ガス工程が行われました。ここでは、取鍋の上部に取り付けられた真空チャンバーを通して鋼材を取鍋内外に循環させ、素早く温度と組成を均一化しました。10分間の脱気後、カルシウムワイヤーを追加し、硫化物系介在物の組成および形態を制御しました。

カルシウム処理により、以前はMnSであった多くの硫化物がCaSに変化します。MnSは、下軸の硫黄分〜40%で確認され、硫黄の頂点に近いほど、CaSに富んだ特徴になります。一番目のMgO相と二番目のCaSの間に、連続的な粒子の分布がみられます。




図4.反射電子画像は介在物ごとに保存することが可能です。
ここでは、TiN立方体(左) と複合介在物MgO-CaS(右)の
画像を示します。MgOは暗く表示されます。
スケールバー の長さは両方とも 2 μm です。



図5. 複合MgO-CaS介在物の手動分析
BSE画像(左)、EDSマップ(右)、介在物スペクトル(下)。
マップでは、Mgを赤、Caを青、背景のFeを緑で
示しています。



卓上自動粒子解析SEM/EDS Phenom ParticleX Steelは、鋼材サンプルの介在物解析を全自動で行います。あらかじめ設定されたレシピと分析条件を使用することで、迅速にセットアップ可能です。ボタンを押すだけで分析が開始され、介在物のデータが取得されます。収集されたデータは、ニーズに合わせたレポート形式で簡単に視覚化できます。

Phenom ParticleX Steelに搭載されているPerception Reporterソフトウェアを使用することで、レポートが簡単に作成できます。ユーザーは独自の分類ルールを設定することができ、指定した介在物種で三元図を作成することが可能です。このレポートに示されている三元図は、取鍋精錬中の介在物の組成の変化を強調するために選択されました。



図 6. Perception Reporter ソフトウェアのスナップショット
必要な介在物種を選択し、表、チャートまたは三元図に組み込むことができます。


Conclusions

Phenom ParticleX Steelを使用して、鋼材の新しい脱酸方法を評価しました。溶融金属精錬工程で採取し、研磨した鋼材サンプルを測定し、介在物の特徴を評価しました。Perception Reporterソフトウェアで、粒子画像、組成、および三元図をレポートに簡単に出力することができました。チタン、マグネシウム、カルシウムの添加による鋼材の精錬では、TiN、MnS、MgO、CaS、およびそれらの組み合わせた非金属介在物が形成されました。アルミニウム脱酸に代わる方法として、この新しい方法は凝集しにくい非金属介在物を生成し、同時に結晶粒の微細化に有効なTiNを生成しました。



使用する装置

Phenom ParticleX Steel

Steel







過去に開催した「自動粒子解析SEM Phenom ParticleX ウェビナーシリーズ(全6回)」の

第5弾 鉄鋼の自動介在物評価

の録画をウェビナー情報のページから
視聴できます。

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