鉄鋼



 




鉄鋼


Steel


アルミニウム中の金属間化合物粒子の全自動SEM分析
PDFファイル
アプリケーションの目次>鉄鋼


アルミ合金中の金属間化合物粒子の自動分析

Phenom ParticleX Steelを使用した自動粒子解析+EDS分析


Introduction

6000系のアルミニウム合金は、その優れた強度重量比と成形性のため、自動車の部材に広く使用されています。アルミニウム板の製造において鉄は最もよく知られている有害な不純物で、硬い金属間化合物を形成し、図1に示すような製造部品の機械的性能を低下させます。

鉄を豊富に含む金属間化合物粒子による微小クラックを図2に示します。これら材料内部に発生する微小クラックは、材料が最終形状に加工される際に拡大し、より大きな材料破壊につながる可能性があります。図2は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、反射電子(BSE)信号と二次電子(SE)信号を組み合わせて取得しました。BSE信号は組成のコントラストを強調し、SE信号はクラックやボイドなどの試料の表面形状を示します。




図1. 自動車のフレームや骨格部材は、多くの場合先進的な
アルミニウム合金で製造されます。




図2. アルミニウム基板のSEM像
矢印は明るいコントラストの鉄含有粒子による微小クラ
ックを示します。暗いコントラストのMg-Si系金属間化合
物粒子も確認できます。 (サンプル提供:北京科技大学)


熱機械加工と合金化のプロセスは、これらの鉄含有金属間化合物粒子の晶出に影響を与え、微小クラックの発生リスクを最小限に抑えるために最適化できる可能性があります。本アプリケーションノートでは、6000系アルミニウム合金中の鉄含有金属間化合物粒子のサイズ、分布、組成に及ぼすニッケル微細合金の影響について説明します。


Methods and results

6000系アルミニウム合金の2つのバッチ(トライアルとベースライン)を、鋳造と圧延により厚さ1 mmの板に加工しました。適用した熱機械加工の工程を図3に、基本組成を表1に示します。尚、トライアルの組成には、0.03%のニッケルが追加されています。縦断面はブロードイオンビーム(アルゴン)で研磨しました。卓上自動粒子解析SEM/EDS Phenom ParticleX Steelを使用して、 手動による画像観察および自動粒子解析を行いました。




図3. アルミニウムの熱機械加工の工程概略図
矢印は分析のためにサンプルを採取した段階を示します。


表1. 6000系アルミニウム合金の基本組成(重量%)



図4は手動で撮影したBSE像です。BSEイメージングにより、トライアル試料(A)とベースライン試料(B)の鉄含有粒子の分布が確認できました。ニッケルを含有するトライアル試料には、より明るいコントラストの金属間化合物粒子が見られます(図4のA)。


図4. トライアル試料 (A) とベースライン試料 (B) のBSE 画像
アルミニウム基板の中に、コントラストの明るい鉄含有金属間化合物粒子が分布しています。

エネルギー分散型X線分光法(EDS)による手動スポット分析では、粒子中に鉄が含まれていることが確認されました。トライアル試料の粒子には、ニッケルも確認されました。このようなスポット分析では粒子組成の定性的な評価が可能ですが、統計的に十分な数のデータを収集するには非常に時間がかかります。



自動SEMによる金属間化合物粒子の定量

卓上自動粒子解析SEM/EDS Phenom ParticleX Steelは、高速かつシンプルに自動粒子解析を行うことが可能で、統計的に十分な数のデータを迅速に取得します。自動化されたワークフローにより、金属基板よりも明るいコントラスト(もしくは暗いコントラスト)の粒子を自動で検出し、 分析します。Phenom ParticleX Steelは3 mm²の領域をスキャンし、1 μm以上の粒子を検出しました。検出されたすべての粒子について、サイズ、形状、組成、BSE像が記録されました。その後、記録された粒子のデータは、記録された変数に従って分類されます。例えば、ニッケルの含有量が高い粒子(15 at%以上)はPerception Reporterソフトウエアで”Ni含有”として分類しました。Perception Reporterソフトウエアは、カスタマイズされた表、ヒス トグラム、三元図を作成することができます。

図5は、トライアル試料とベースライン試料の粒度分布を示しています。ニッケルの添加により1 μm以上の粒子数が17%以上増加しました。トライアル試料とベースライン試料の平均粒径は、それぞれ2.56 μmと3.15 μmでした。トライアル試料では3 μm以下の粒子が多く発生し、3 μmを超える粒子の数が減少しました。ニッケルの添加により、最大粒径が2 〜 3 μm から 1 〜 2 μm に移動しました。これらの変化は、ニッケルが合金中の鉄含有相の粒度分布に影響を与え、結果として、より小さな金属間化合物粒子が形成されることを示しています。



図5. トライアル試料(A)とベースライン試料(B)の粒子サイズのヒストグラム



図6の三元図は、トライアル試料とベースライン試料で観察されたすべての金属間化合物を表しています。Fe-Siを含む粒子は両方の試料に含まれていますが、トライアル試料ではニッケルを含む第二の集団が確認できます。これらすべての金属間化合物粒子にはアルミニウムが含まれていますが、図6の組成プロットではアルミニウムは考慮されていません。組成換算後のニッケル含有粒子のニッケル含有量は15% 〜 75% (at%) でした。鉄とニッケルの融点はアルミニウムより高いため、これらの金属間化合物粒子は凝固の初期段階で形成され、偏析がその形成を助けると考えられます。



図6. トライアル試料(A) およびベースライン試料(B)中の金属間化合物粒子のFe-Si-Ni系三元図


Phenom ParticleX SteelのParticle Inspectorソフトウェアにより、記録されたすべての粒子に関する情報に簡単にアクセスできます。データはさまざまなパラメータ(サイズ、形状、分類、組成など)で並び変えることができ、目的の粒子を正確に見つけることができます。図7は、ニッケル含有粒子について自動取得されたデータ(サンプル画像、パーティクル マスク、および定量化された組成を含む)の例です。



図7. Particle Inspectorソフトウェアのスナップショット
ニッケル含有粒子の粒子画像、マスク像および組成を示しています。


Conclusions

このアプリケーションノートでは、最初に鉄とニッケルに富む金属間化合物を手動のSEM-EDSで同定し、その後、Phenom ParticleX Steelの自動化されたワークフローを使用して粒子サイズと組成の分布を測定しました。0.03 wt%のニッケルの微量合金を添加したトライアル試料では、金属間化合物の平均粒子径が小さくなり、量が増加していることが示されました。自動化されたワークフローの効率性により、試験材料の粒子群の変化を容易に識別することができました。金属間化合物の粒子サイズを小さくすることで、6000系のアルミニウム合金の破壊靭性が改善される可能性があります。



使用する装置

Phenom ParticleX Steel

Steel







過去に開催した「自動粒子解析SEM Phenom ParticleX ウェビナーシリーズ(全6回)」の

第5弾 鉄鋼の自動介在物評価

の録画をウェビナー情報のページから
視聴できます。

Phenom ParticleX Steel
アルミニウム分析のショートムービーへ


Phenom ParticleX Steel 製品紹介へ

Phenom ParticleX シリーズの紹介ページへ


Phenom ParticleX シリーズのアプリケーションへ




トップへ
戻る