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X-Pulse 90 – 卓上型核磁気共鳴装置(卓上型NMR)

X-Pulse 90

イギリス:オックスフォード・インストゥルメンツ社

X-Pulse 90はシリーズ初の90 MHz永久磁石を搭載した最新型のモデルです。ブロードバンド機能により、広範囲なアプリケーションに対応可能です。パワーアップしたパフォーマンスを求めるお客様に最適なモデルです。

特長

90MHzによる分解能の向上

X-Pulse 90では2.1 T (90 MHz)の強力な磁場により、スペクトルの分離が向上します。X-Pulse 60では重なっていたシグナルが分離できるようになり、以下のイブプロフェンの1H NMRスペクトルにおいて、多重線の帰属が容易になりました。

イブプロフェンの1H NMRスペクトル:X-Pulse 90(左)とX-Pulse 60(右)の比較

90 MHzによる感度の向上

X-Pulse 90は信号強度も大幅に向上します。13Cや29Si、31Pなどの低感度核種の測定において優れた性能を発揮します。以下の29Si NMRスペクトルにおいて、高いS/N比が確認されました。また、スペクトルの取得時間はおよそ四分の一です。

29Si NMRスペクトル:X-Pulse 90(左)とX-Pulse 60(右)の比較

世界初の広帯域卓上型NMR

広帯域プローブにより、1H、19F、13C、31Pなどの一般的な核種から、7Li、29Si、27Al、11B、59Coなどの特殊な核種まで、研究に必要な幅広い核種の測定を1台の卓上装置で行うことが可能です。
面倒なプローブの交換は不要で、ソフトウェアで目的の核種を選択し、任意の核種にチューニングして最適な条件で多核種NMRの測定が可能です。

独自の磁石設計で高い安定性

X-Pulseは、特許の磁石温度コントロールシステムで、外部環境の変化に強い優れた安定性を実現しています。温度変動や周囲の磁気ノイズに対する耐性が大幅に向上し、長時間にわたる安定した測定が可能となり、データの再現性と信頼性が飛躍的に高まりました。測定の中断を減らし、効率的な研究や分析作業をサポートします。
この安定性の高さは、温度可変測定、フローNMR、二次元NMRでの構造解析や微量成分の検出など、高度なNMRのアプリケーションにおいて特に威力を発揮します。研究室はもちろん、品質管理や製造現場など、様々な環境で安定したパフォーマンスを提供します。

フローNMRでの10時間の連続測定

豊富な機能と拡張性

多核種の2次元NMRを含む豊富なパルスシーケンスが利用できます。X-Pulseには、分子を正しく理解し、構造を決定するために必要なツールがすべて揃っています。また、標準搭載のパルス磁場勾配機能により、溶媒信号の抑制、拡散係数の測定も行えます。
さらに、オートサンプラー、フローNMR、温度可変のオプションは、モジュール設計を採用することで、将来的なニーズにも柔軟に対応できる優れた拡張性を実現しています。これらの機能と拡張性により、基礎研究から応用研究、品質管理まで、幅広い分野での活用が期待できます。

ラインナップ

広帯域のX核チャンネルを備え、
任意の核種を自在に測定可能なモデル

  • 分解能 : < 0.35 Hz (50%) / 15 Hz (0.55%)
  • 1H感度 : 240 : 1 (1%エチルベンゼン、1スキャン)
  • X核チャンネル : 29Si–31Pで選択可能 (38種類の核種に対応)
  • パルス磁場勾配 : 標準装備 (> 0.5 T/m)

仕様

1H 共鳴周波数、磁場強度90 MHz (2.1T)
分解能(50%)< 0.35 Hz
分解能(0.55%)< 15 Hz
S/N HFプローブ (1%エチルベンゼン、1スキャン)> 320:1
S/N HFXプローブ (1%エチルベンゼン、1スキャン)> 240:1
磁場勾配パルスの勾配強度> 0.5 T/m
測定可能な核種 :標準1H、19F
測定可能な核種 :Broadband自由に選択可能 : 29Si–31P
(1H 共鳴周波数に対して19%–41%の範囲)
測定可能な核種 :Dual-XBroadbandの範囲より2核種を選択
ロック機能外部ロック
サンプル温度範囲 (オプション使用時)0℃ – 60℃
サンプルチューブ直径5 mm、最小長さ178 mm (7インチ)
サンプルチューブ (温度可変オプション使用時)直径4 mm、最小長さ178 mm (7インチ)
サンプルチューブ(オートサンプラー使用時)直径5 mm、最小長さ200 mm
寸法 :マグネットユニット39×54×43 cm (W×D×L)
寸法 :マグネットユニット(オートサンプラー装着時)39×54×87 cm (W×D×L)
寸法 :電源系ユニット37×52×26 cm (W×D×L)
重量 :マグネットユニット115 kg
重量 :マグネットユニット(オートサンプラー装着時)120 kg
重量 :電源系ユニット22 kg
オートサンプラーX-Auto オートサンプラー (オプション)
25検体まで設置可能

オプション

X-Pulseは、オートサンプラー、フローNMR、温度可変のオプションを追加して機能を拡張することができます。全てのオプションはモジュール設計となっており、将来的なニーズにも柔軟に対応できる優れた拡張性を実現しています。

主な応用分野

バッテリー

広帯域のX-Pulseは、磁場勾配パルスとサンプル温度可変により、電池電解質の構造、ダイナミクス、イオン伝導性を総合的に評価することができます。これは材料の品質管理の効率を高め、電解液の開発を促進し、電池の劣化分析を可能にします。

製薬

X-Pulseは、オートサンプラーやフローNMRを備えており、多数の医薬品について効能や品質の評価、リード化合物開発におけるスケールアップの促進や収率向上のための合成方法の最適化に理想的なツールです。

化学研究

X-Pulseは、新しい材料の開発、反応ダイナミクスの理解、新しい合成経路の発見など、研究室で必要とされるすべての分析を提供できる、モジュールタイプでアップグレードが可能な装置です。パワフルなSpinFlowソフトウェアは、実験の最適化から新しいNMRシーケンスの構築まで、装置の機能を最大限に発揮します。

ポリマー

温度可変の広帯域NMRを用いた高分子材料の分析により、持続可能な代替材料の開発をこれまで以上に促進することができます。シリコーンやバイオポリマーなどの新素材の構造特性評価から、品質管理における夾雑物、添加物、不純物の同定まで、様々な分析が可能です。

アプリケーションノート

ウェビナー情報

カタログ

【リーフレット】
卓上型核磁気共鳴装置 X-Pulse
イギリスオックスフォード・インストゥルメンツ社製
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