NGX
マルチコレクタ希ガス質量分析装置
イギリス:アイソトプエックス社
NGXは、最新技術を搭載し、希ガスの同位体比を高精度かつ正確に測定します。
特徴
NGXは、Isotopx社のPhoenix TIMSの持つ高度なマルチコレクターテクノロジーである ATONA® アンプを搭載しています。低ノイズ、広いダイナミックレンジ、シンプルなセットアップを特徴とし、究極の柔軟性と測定精度を実現します。
・ATONA®アンプ(特許取得)
1e-7 Aから1e-17 Aまでのイオン信号を正確かつ精度よく検出可能
40時間にわたって1 ppmを超える安定性
共同設計
Isotopx 社は希ガスに関わる研究者の方々と分析に係る様々な話し合いを行い、そこから浮かび上がった3つの要望を元に装置開発を行いました。
- 低体積/高感度
- わかりやすい操作性
- 多彩なコレクタの設計
低体積マルチコレクタ
NGXはマグネットでイオンビームのイメージ長を短くする非対称なイオン光学系を採用することにより、フライトチューブを短くし、低体積、高感度を実現しました。
これにより5つのファラデー検出器とマルチプライヤからなるAr測定用の構成で、装置体積は800 cc以下となっています。
VG5400と同じ54 cmのジオメトリと強力な電磁石は、全ての希ガスを分析するのに十分な分解能と質量分散を実現します。電磁石はm/z270までルーチンで測定できるIsotopx社の表面電離型質量分析装置(TIMS)Phoenixの設計に基づいています。
わかりやすい操作性
最も重要な希ガスは同時検出で、他の希ガスはピークジャンプで測定する固定式マルチコレクタを採用することにより低体積、実効感度向上、システムおよび操作の簡素化に成功しました。
また、オートマチックバルブを組み込むことにより、分析の自動化が可能です。
NGXは各ユーザーのニーズに応え、様々な検出器構成に対応したシンプルで操作性の高い装置を提供します。
ATONA®アンプ
究極の低ノイズ性能
アンプのノイズは、測定の精度に直接影響します。 抵抗ベースのアンプのノイズ性能は、積分時間が長くなると向上します。 ATONA®アンプは、10秒後には1 TΩ抵抗の理論上のジョンソン-ナイキストノイズを下回り、200秒後、ノイズは10 TΩ抵抗の理論上の限界に近づきます。
比類のないダイナミックレンジ
従来の抵抗ベースの技術とは対照的に、ATONA®アンプは、ダイナミックレンジ全体にわたってエレクトロニクスまたはソフトウェアを切り替えることなく、10 cps~1 nA(100 GΩ抵抗アンプに対して100 V)の信号サイズを検出できます。 これは、大きな同位体存在比が存在するアプリケーションで特に役立ちます。さらに、極端なダイナミックレンジと低ノイズにより、同位体組成に関係なく、未知数を最適な精度で測定できます。
素早い減衰
信号の測定後にアンプがベースラインに戻るまでの時間は、抵抗ベースの設計に常に重大な課題をもたらしてきました。 アンプの減衰が長くなると、「オンピーク」測定時間が短縮され、最終的に収集されるイオンが少なくなり、分析精度が低下します。 ATONA®アンプを使用すると、アンプの減衰時間は0.2秒未満であり、市販の抵抗アンプよりも高速であり、補正は必要ありません。