Phoenixは、最新のエレクトロニクス、制御システム、イオンカウンティングを搭載した、高い分析能力と幅広い汎用性を兼ね備えた表面電離型質量分析装置です。 M20コレクターシステムにより、フレキシブルな検出器レイアウトを可能にしています。
Phoenix 表面電離型質量分析装置
Phoenixの主な特徴
- 最高のパフォーマンス
- 多様なコレクタアレイ
- IonVantageソフトウェア
- デイリー・イオンカウンティング検出器
- マルチイオンカウンティング検出器
- 長寿命検出器
最高のパフォーマンス
Isotopx社最高の技術者チームにより、定常的に世界に誇る高精度データが得られるTIMSが開発されました。R&Dチームはシステムノイズを下げるため、最新のエレクトロニクス、制御システム、イオンカウンティングシステムを開発しました。
- 外部精度: 87Sr/86Sr < 5 ppm (1RSD)
- 確度: 15 ppm
- 外部精度: 143Nd/144Nd < 4 ppm (1RSD)
- 確度: 15 ppm
多様なコレクタアレイ
Phoenixは、9個の独立稼動式ファラデーコレクタを持ちます。各コレクタは、イオンビームが高感度に検出されるよう高精度に配列されています。6個まで増設可能な、コンバージョンダイノードのマルチイオンカウンティング検出器は、非常に安定しており、多目的用途に対応したイオン検出器です。
IonVantageソフトウェア
IonVantageソフトウェアは、TIMSを操作するうえで最も簡便で、柔軟性に優れたソフトウェアです。先進の装置コントロール、エクセルシートへのデータ転送など分析やデータ処理が容易です。
デイリー・イオンカウンティング検出器
M20コレクタ
Phoenixは、エレクトロニクス、フォトマルチプライヤーとともに、デイリー・イオンカウンティング検出器を一新しました。 デイリー検出器は、ファラデーコレクタのレンジを含む桁数の広いダイナミックレンジとピークフラット、高いゲイン安定性を持つイオンカウンティングに必須な検出器です。 また部品交換の必要がほぼいらず、長寿命です。
マルチイオンカウンティング検出器
コンバージョンダイノードのイオンカウンティング検出器は最大6個、ファラデーに追加することができ、それぞれ正・負イオンの検出を行います。コンバージョンダイノードはファラデーコレクタと同じ幅なので、Uについて6個のイオンカウンターを1AMU隔で配置することが可能です。各検出器は個々に稼動させることができ、様々な元素に対応可能です。
長寿命ファラデー&デイリー検出器
ファラデー検出器は、非常に長寿命で信頼性のあるカーボンインサート(特許取得)が付いており、その性能は10年間保証されます。デイリー検出器も同様に、10年間保証です。時間や費用を抑えることも、Phoenixの最大の利点の一つです。
TIMS 1:1 ジオメトリ
Phoenix62
〜U-Pb年代測定に特化された装置
Phoenix 62 表面電離質量分析装置
Phoenix62は、U-Pb年代測定に特化された唯一のTIMSです。 標準のPhoenixは540mmのフォーカルプレーンを持ちますが、X62オプションを選択すると620mmとなります。これにより、コンパクトでありながら十分なイオンビーム分散が可能となります。分散機能の拡大により、m/z265〜272までを1AMU間隔にとることが可能となります。UO2から全ての酸素同位体データが得られることで、より正確に補正でき、U年代の精度が非常に向上しました。
Phoenix62の主な特徴
- デイリー・イオンカウンティング検出器
- 高質量数分析アプリケーション
同位体希釈法によるU-Pb年代法は、TIMS装置にて行われる最も画期的な分析の一つです。
Pbの測定は、デイリー検出器のピークジャンプ、あるいは複数のファラデーとデイリーを組み合わせて行います。
広いダイナミックレンジと高いゲイン安定性、リニアリティをもつデイリー検出器は放射性由来のPb分析に最適です。
U同位体比は、しばしばUO2+で測定します。特にダブルスパイクを用いた分析でより正確な同位体比を求めるためには、18Oや17Oを含む微量酸化種の酸素補正を正確に行う事が重要です。 Phoenix62は、ファラデーコレクタおよびマルチイオンカウンティング検出器を1AMU間隔で配置することができ、UO2+やその他の高質量分析で最高の性能を発揮します。
デイリー・イオンカウンティング検出器
デイリー・イオンカウンティング検出器は、ジルコンやその副鉱物に含まれる放射性由来のPbを測定するうえで最適です。
Phoenix62は、UO2を1AMU間隔で測定し酸素補正するU-Pb年代測定に用いられます。VGやIsotopx社のTIMSは世界中の先端の地質年代研究室で主流となっています。
高質量数分析アプリケーション
Phoenix62はU-Pb年代測定に特化していますが、他の高質量数アプリケーションにおいても有効です。例として、Cs2BO2+の質量数308と309や11B/10B測定があります。BO2-として負イオンモードにて分析する方が感度が得られますが、Cs2BO2+の高質量分析は質量差別効果が非常に小さく、より高精度な結果が得られます。微量試料のBO2-やCs2BO2+のどちらについてもB分析が可能であるため、試料に応じた測定が行えます。